蘇州河ってどんな川?

「蘇州河」と一口でいうが、そのすべてを知ることは難しい。大平原の真っただ中を流れるこの川は思いのほか長いし、近づきにくい場所も多い。蘇州河とは一体どんな川なのだろうか。


東方明珠から見下ろした蘇州河の河口付近の夜景。蘇州河の風景のハイライトは、なんといってもこのエリアだ

太湖から上海へ
 
 蘇州河で最もよく知られている場所は、なんといっても外白渡橋だ。オールド上海を象徴する風景の1つにもなっている。蘇州河はこの橋のすぐ下流で黄浦江と合流する。そこが蘇州河の河口だ。
 実はこの川全体の名前は呉淞江といい、そのうちの下流域が蘇州河と呼ばれる。一般には上海の北新涇(地下鉄2号線の北新涇駅の少し北に川が流れている)から下流が蘇州河、上流が呉淞江と呼ばれる。
 蘇州河(呉淞江)の源流は、江蘇省最大の湖である太湖だ。蘇州市呉江区の太湖から流れ出した蘇州河は、昆山市を経て上海に入る。川はおおむね西から東に向かって流れている。川の長さは125キロ、そのうち上海市内の流れは54キロとなっている。川幅は上海市内では50メートル前後とさほど広くはないが、通常の河川と違って上流は広く500メートル近くに達する場所もある。
 
黄浦江に奪われた「本流」の地位
 
 悠久の歴史を持つ中国を流れる川だけに、蘇州河も時代による変遷を経ている。蘇州河の昔の名前は「松江」で、春秋戦国時代の呉の国を流れていたことから「呉淞江」と呼ばれるようになった。
 呉淞江は明代初期までは太湖から流れ出す最大の河川だった。現在、上海の母なる川と呼ばれる黄浦江は呉淞江の支流の1つにすぎなかった。しかし、呉淞江に土砂が堆積したため、15世紀の初めから黄浦江の大改修工事が行われ、呉淞江は本流の地位を黄浦江に奪われた。これがいわゆる「黄浦奪淞」だ。
 現在の蘇州河の河畔には、歴史に彩られた建物や林立する高層マンション、工場群が点在し、昔ながらの田園風景も残っている。川を船が行き交い、水運の動脈としての役割も果たしている。中国の今と昔に思いをはせることができる川、それが蘇州河だ。