源流は太湖の北東の端

蘇州河を巡る小さな旅。フィナーレは源流だ。川の源流といっても、日本の一般的な川のように険しい山や草深い谷から流れが始まるわけではない。蘇州河(呉淞江)の源流は江蘇省最大の湖である太湖だ。源流は市街地の一角にあり、その地に立つのはそれほど難しいことではない。


蘇州河の源流部から見た夕暮れの太湖。入り江の奥まった場所だが、それでも対岸までは2キロ余りある

太湖から流れ出し大運河と合流
 
 太湖は中国で3番目に大きい淡水湖で、面積が日本の琵琶湖の3.5倍という大陸的な大きさだ。蘇州河の源流は太湖の北東の端にある。太湖は南部が単調な地形なのに対し、北部は入り江がいくつも並んだ複雑な地形となっている。源流があるのも入り江の奥まった場所で、源流付近の太湖はその雄大な姿の片りんを見せているだけだ。
 蘇州河は蘇州市呉江区の瓜涇口と呼ばれるエリアでその流れが始まる。湖からの流出口には水門があり、川の水量を調節している。川はそこから東に向かって流れる。両岸には大小の工場が並んでいる。
 源流から下流に1.5キロほど行った地点で、蘇州河は大運河(京杭大運河)と合流する。太湖はその大きさの割に平均水深が1.9メートルと浅く、大型の船舶の航行には適さない。そのため、巨大な湖のすぐ脇に運河を掘らなければならなかった。大運河と蘇州河の合流点は、内陸水運の要となっており、多くの船が行き交っている。
 意外なことに、周辺の住民にはこの辺りが蘇州河の源流だという意識はほとんどない。川幅が50メートルほどと狭く、普段の生活とのかかわりが薄いのが原因だと思われる。確かに橋の上に立って川を見ても、目を引くような風景は見られない。しかし、ここから上海に向かって120キロを超える流れが続くのかと思うと、見方も変わる。太湖も含め一見の価値のある場所だといえる。
 
源流への行き方
まず呉江バスターミナルに行く。上海からは虹橋駅、上海駅、上海南駅のバスターミナルから長距離バスが出ている。ターミナルから「91路」のバスに乗り、昆貿電子のバス停で降りる。バス停の南の交差点を西に行き、突き当たりの中山北路を北へ行くと水門のすぐ下流の橋に出る。さらに北に100メートルほど行って細い道を西に向かい、突き当たりを左に折れると水門に着く。大運河へはバス停南の交差点を東に行き、突き当たりの交通北路を北に行くと、大運河との合流点の西に架かる橋に出る。


蘇州河の源流。水門があるので、場所はわかりやすい。周辺に住宅はまったくない。

 
源流の少し先に漁船が数隻停泊していた。太湖は中国有数の淡水漁場となっている
 

水門の少し下流に架かる橋から、蘇州河の最上流部を望む。太湖から大型の船が運航されることはない
 

大運河との合流点。蘇州河が写真右下から左上に向かって流れ、大運河が左下から右上に向かって通っている。内陸水運の要衝だ


合流点の中央部に灯台が立っている。運河や川の真ん中にある灯台は珍しい。多くの船舶が往来している証しだ