地元で味わいたい揚州の名物料理

揚州には長い歴史と交通の要衝としての役割、周辺で産する豊かな食材があり、美食を育む下地がある。揚州では地元の料理も見逃せない。揚州と聞いて真っ先に思い浮かぶ「揚州炒飯」をはじめとする名物料理を3つ紹介しよう。
 

揚州炒飯
  揚州炒飯は揚州の歴史を象徴する料理だ。その起源は大運河を開削した煬帝にある。煬帝は「砕金飯」と呼ばれた卵を使った炒飯が好きで、大運河を通って揚州に行幸した際に、その料理がこの地に伝わった。清代になって、この炒飯にエビや豚肉、ハムなどが加えられて現在の揚州炒飯の原型ができた。そして、交易の拠点だった揚州から料理人が世界に羽ばたき、揚州炒飯は世界的に知られる料理となった。
 揚州炒飯は中国では非常にポピュラーな料理で、どこに行っても食べられるといっていい。あまりに一般的過ぎて、揚州の人たちも地元の特別な料理だとは思っていない。料理の特徴は必ず卵を使うことだ。卵とごはんを一緒に炒めることで、ごはんが卵に包まれて金色になる。「金包銀(金色の卵が銀色のごはんを包む)」が揚州炒飯だ。揚州で揚州炒飯を食べる。やはりこの街では欠かせない1つの儀式だろう。
 
 
獅子頭
  獅子頭は肉団子のことで、揚州の伝統料理の1つになっている。この料理も煬帝に起源がある。煬帝が揚州を訪れた際、この地の4つの美しい風景を料理人が料理で表現した。そのうちの1つ、葵花崗の風景を表現したのが、獅子頭の原型となった料理だった。当時は葵花斬肉、葵花肉丸と呼ばれていた。葵花はヒマワリのことだ。
 獅子頭は多くの場合、スープで煮込まれている。スープを吸った肉団子はジューシーで柔らかい。秋になると長江下流域の名産である上海蟹(大閘蟹)で作った団子も登場する。上海にも獅子頭が食べられる蟹料理店が数多くある。通常の肉団子の獅子頭は、値段がそれほど高くないので気軽に食べられる。
 
 
大煮干絲
 干絲は豆腐を干し千切りにした食材で、それをスープで煮た料理が大煮干絲だ。清の乾隆帝が揚州を訪れたとき、地方官僚が皇帝に献上した「九絲湯」という料理が大煮干絲の原型だとされる。九絲は干絲をはじめとしてハム、タケノコ、キクラゲ、鶏肉などの千切りのことをいう。
 大煮干絲は一般に鶏のスープが使われ、あっさりとした優しい味付けで食べやすい。現在では揚州を訪れる観光客が必ずといっていいほど注文する人気の料理となっている。