大陸側の東の端は延伸中

上海の東の端といって思い浮かぶのは「浦東空港」ではないだろうか。確かに上海の大陸側の東の端はこの空港に近い。しかし、上海の本当の東の端は、東中国海に浮かぶ小さな島「佘山島」だ。この島は崇明島の東約20キロに位置し、面積は0.037平方キロしかない。通常の手段で島に渡ることはできない。現実的な東の端は、浦東新区の南部にある「南匯嘴観海公園」の少し北だ。そこには長い堤防が築かれ、陸地が東に向かって延伸しつつある。


東端から眺める広い海
 
 南匯嘴観海公園は地下鉄16号線の終点駅の名前にもなっている丸い湖(塩湖)「滴水湖」の南東にある。海を標ぼうした公園で、海のそばにありながら海がなかなか見られない上海では貴重な存在だ。東中国海と杭州湾との境目に位置している。
 大陸側の東端はそこから北に約3キロ行った場所にある。ほぼ南北に延びる堤防が少し北西に向きを変えるポイントだ。南匯嘴観海公園から堤防沿いに立派な道が続いているが、バスは運行されていない。堤防の下も歩けるようになっているので、散策気分で歩いて行ける。ただ、観光用の施設ではないため、夏は日差しを冬は風を避ける方法がなく注意が必要だ。
 東端からは長い堤防が東に向かって延びている。広大な干潟を囲んで埋め立てるための堤防だ。堤防の付け根にはゲートが設置されているが、立ち入りは特に制限されていないので歩いて行ける。堤防は工事関係者や漁をする人がたまに通るだけで閑散としている。長江の河口域で、膨大な量の土砂が流されてくるため、周りの海は黄土色に濁っている。それでも海の広さは十分に感じられる。目の前の海を越えれば日本だ。
 堤防の西側には池と湿地が広がっている。人はほとんど住んでおらず、上海の端というより大陸の端といった雰囲気が感じられる。これだけの広大な土地がありながら、さらに土地造成の工事が進んでいる。10年後、20年後にこの土地はどのような変化を遂げているのだろうか。
 
東の端への行き方
まず地下鉄16号線の終点「滴水湖」まで行く。駅の上にあるバスターミナルから「浦東33路」のバスに乗って終点の「南匯嘴観海公園」へ。公園はバス停のすぐそばにある。そこから海岸沿いに北に約3キロ歩くと東端のエリアに着く。徒歩で往復するのは大変なので、行きは滴水湖の駅からタクシーを利用したほうがいい。南匯嘴観海公園でも経度の差はほとんどなく、そこまでにするのも1つの選択肢だ。公園に隣接したホテルもあるので、宿泊して朝の海を眺めることもできる。
 

上海の大陸側の東端。堤防が海を2つに断ち切るかのように一直線に延びている

 
堤防は築かれたばかりで清潔だ。時折、漁をする人が沖へ向かって行く。堤防の先端では今も工事が続いている

 
iphoneに表示された緯度と経度。東端は東経122度12分だが、それには遠く及ばない。埋め立てが進んでも、本当の東端が佘山島であることは変わらない

 
南の海岸を見る。立派な堤防が続き、海との境にはアシが茂っている

 
北の海岸を望む。海岸は少し北西に方向を変える

 
堤防の北に広がる干潟。浦東地区は昔の塩の産地で、こうした海岸が製塩に利用されていた
 

干潟の主ともいえる小さなカニ。体長は1センチから2センチほど。それぞれに自分のすみかである穴を持っている

 
堤防の西に広がる池。養魚場として利用されている。池の南には湿地が広がっている
 

南匯嘴観海公園。金属製の大きなオブジェが立っているので、遠くからでもよくわかる

 
南匯嘴観海公園の海岸。上海の南東の角といえる位置にある。上海では数少ない海に触れられる施設だ