南の端には行けないけれど…

上海の南の端に行くのは難しい。上海の南西部の金山区沖に「金山三島」と呼ばれる3つの島が浮かんでいる。上海の南の端はそのうちの最も小さな島「浮山島」にある。しかし、この島は通常の方法で渡ることはできない。では、大陸側はどうかというと、杭州湾の沿岸に工場がずらっと立ち並び、一般の人は海岸に達することができない。現実的な南端は上海で有数の規模を誇る人工の海水浴場だ。
 

人工の砂浜で南の楽園気分
 
 上海の南端である浮山島は、金山の海岸から眺めることができる。海に向かって左から小金山島、大金山島、浮山島の3つの島が並んでいる。最も大きい大金山島の最高点は標高105メートルで、上海で最も高い山だ。日本の瀬戸内海ならどこにでもあるような島が最高点であることが、上海の平坦さを物語っている。
 島には渡れないので、大陸側の南端を探すと、浙江省との境界の海岸がそれに該当する場所だ。そこは環九路という道路が海に突き当たる辺りなのだが、海のはるか手前で工場のゲートに阻まれる。
 実際に行ける南端は、金山の市街地の南部にある人工の砂浜「金山城市沙灘」だ。環九路近くの工場付近で守衛の人に「南の端? 城市沙灘には行ったのか」と聞かれたので、このエリアの人の認識もこの浜が最南端なのだろう。
 金山城市沙灘は全長約2キロで、天然の砂浜がどこにでもある日本では考えられない規模の人工の砂浜だ。上海はほぼすべての海岸に泥の干潟が広がっている。そのままでは泳ぐことができないので、こうした人工の砂浜が数カ所整備されている。海は堤防で仕切られ、内側の海水は浄化されていて天気のいい日には青く輝く。砂浜から沖に浮かぶ金山三島を見ることもできる。右の島が浮山島で上海の最南端だ。この砂浜は上海の本当の南の端ではないので、厳密に考えず楽しめばいい。レストランなどの施設も充実し、観光用のカートやヨットも営業している。南といえば太陽と海。金山城市沙灘は上海の南の楽園だといえる。
 
金山城市沙灘の行き方
上海南駅から金山鉄道を利用し、金山衛駅まで行く。新幹線型の列車が運行され、直通なら30分、各駅停車でも1時間で着く。駅から「金山2路」のバスに乗り护杭公路戚家墩路のバス停で降りると近くに入り口がある。金山衛駅にはタクシーもたくさん止まっている。砂浜の営業時間は午前8時半から午後8時半まで。入場料は9月20日まで平日が1人30元、週末は1人50元となっている。


金山城市沙灘。人工の砂浜は広く、貝殻などもないので安心して遊べる

 
夏場は家族連れでにぎわう。堤防で仕切られているため、波もおだやかだ


iphoneに表示された緯度と経度。南端の北緯30度40分と比べると2分ほど北に位置している

 
砂浜の南西端の堤防に、さまざまなアクティビティ―の受付がある。堤防上を走るカートに乗れば少し南に行くことができる

 
砂浜から見た金山三島。右の小さな島が上海の南端の浮山島だ

 
夏場は夕日が海の反対側に沈む。海に突き出したような施設があり、そこから夕景を眺めることができる
 

浙江省との境界の近くにある工場群。ゲートを越えてしばらく行くと海岸に出られるが、一般の人は入ることができない

 
金山城市沙灘の東には広い干潟がある。金山もかつては塩の産地として知られていた
 

金山へは上海南駅から新幹線型の列車が運行されている。運賃も10元と格安だ