新場古鎮

浦東の今昔がわかる街

浦東地区の南部は「南匯」と呼ばれ、2009年に浦東新区に編入されるまでは南匯区が存在していた。そのエリアの北西部に「新場古鎮」がある。この古陳は観光地として整備されており、街はコンパクトにまとまっている。地下鉄16号線が開通してアクセスもよくなった。高層ビル街とは趣の異なる浦東新区の一面がこの街にある。

塩田から始まった街が観光地に
 
 新場古鎮ができたのは宋代の1128年とされ、900年近い歴史を刻んでいる。昔から製塩が盛んなエリアで、新しくできた塩田(中国では塩場)という意味で新場と名付けられた。近代に入ってからは、周辺の農村とともに発展してきた。
 古鎮の見どころはエリアを南北に貫く新場大街と、その通りと交差する洪東街、洪西街に集約されている。エリアの中央部にあるのが洪福橋だ。この橋は新場大街が水路を越える場所に架かっていて、大勢の観光客がここで記念撮影をする。通りの両側には土産物や工芸品を売る店、さまざまな料理を提供するレストランが並んでいる。新場大街はこの橋の周辺から南の楼牌路までがにぎやかで、そこから離れるに従って静かになる。洪東街、洪西街は新場大街と比べれば地味な存在で、落ち着いた街並みが続いている。観光スポットは新場大街に点在しているが、ここは見逃せないというポイントはないといっていいので、歩きながらお気に入りのスポットを探せばいい。
 この古鎮は浦東地区の幹線道路に近く、車でのアクセスがいい。そのため週末には大勢の観光客が訪れる。しかし、上海の有名観光地のような混雑はなく、マイペースで楽しめる古鎮だといえる。


新場古鎮の街並み。水に恵まれた浦東地区らしい風景だ
 

洪福橋から見た新場大街。通りの両側に商店が立ち並び、大勢の観光客が訪れる

新場古鎮への行き方
地下鉄16号線の新場駅で下車する。駅の前から「新芦専線」のバスが出ているのでそれに乗り、3つ目の「新場」のバス停で降りる。運賃は1元。道路(新奉公路)をバスの進行方向に少し歩くと、水路の手前に洪西街の小さな門がある。

風情ある街を歩く
 
 新場古鎮はにぎやかな街、静かな街、観光地化したエリア、昔ながらの生活が続くエリア、そんなさまざまな要素がバランスよく共存している。どこを歩いてもそれなりの風情を感じる。古鎮の規模はそれほど大きくないので、隅々までじっくりと見て回りたい。道もわかりやすく、要所に地図の看板が設置されているので迷うこともない。


洪福橋
古鎮の中央部にある洪福橋は、明代中期(15世紀末期から16世紀初頭)に建造され、至福を意味する成語「洪福斉天」からその名が付けられた。橋の下の洪橋港に神龍が出没し新場を守ると昔から言い伝えられている。
 

静かな新場大街
古鎮のメーンストリートである新場大街は、南に行くに従って静かになる。最も南のエリアは平屋の家が並ぶ静かな街並みとなっている。こうした家は便利だとはいえないので、住人が引っ越してしまった家も多い。
 

第一楼茶園
洪福橋のたもとにある有名な茶館が「第一楼茶園」だ。3階建ての建物で、19世紀後半から営業している。現在も1階と2階でお茶を飲むことができる。3階はかつての旅館で、それらしい風情が残っている。
 

第一茶楼の2階の窓から見た風景。小さな瓦がたくさん並んで屋根を覆っている。中国の古い家屋の特徴の1つだ
 

観光エリアの周辺には昔ながらの街が広がっている。こうした場所も興味深い


 新場大街には名物と称して食べ物を売る店がたくさんある。臭豆腐やオニバスの入った菓子のように江南の水郷のどこでも見られる食べ物が多いが、一度は味わってみたい。丹念に探すとあまり見かけない食べ物も見つかる。この古鎮では食も楽しみの1つだ。


海棠糕
新場大街の通りに面した場所で焼いて販売している菓子。中にはこしあんが入っていて、日本で「今川焼」や「大判焼」の名で売られている菓子に似ている。溶けた砂糖が菓子の表面を茶色にし、「海棠(カイドウ)」の花に似ているところからこの名が付けられた。