信頼される日本人獣医

動物をペットとして飼うとき、心配なのが病気だ。特に日本語が通じない海外での生活では、ペットが病気になったときの不安は大きい。そんなときに頼りになるのが日本人の獣医だ。田中将紀さんは上海で動物の診察に当たって約8年。多くの動物の病気を治し、日本人ペット愛好家だけでなく中国人ペット愛好家からも厚い信頼が寄せられている。


田中将紀さん

8年の経験で上海のペットを熟知
 
 上海市南西部の呉中路。日本人居住者の多い古北エリアからほど近いこの通りに「正伊寵物」がある。ここには動物病院やトリミングサロン、ペット用品のショップが併設され、ペット愛好家のさまざまなニーズに応えられる施設になっている。田中さんはここの経営者で、動物病院の院長を務めている。
 田中さんが上海で獣医として働くようになったのは2007年のことだった。現在は田中さんと中国人獣医2人が、ペットの診察に当たっている。8年の経験で田中さんは上海のペットの状況を熟知している。その間のペット愛好家の動向について田中さんは、「日本人は一時期に比べると少し減っています。上海在住の日本人が減少していることに加え、家族滞同というケースが少なくなっているのが原因でしょう。それに比べると中国人は確実に増えています。ペットを飼う人が増えただけでなく、ペットを家族同様の存在だと考えて大切にする人が多くなった結果でしょう。動物病院に来る人はそれなりの富裕層であるケースがほとんどです。高級なイヌやネコを飼い、体調管理にも気を使っています」と語る。
 正伊寵物の動物病院に入ると、明るい空間となっている受付がある。日本語ができる中国人スタッフもいるので、初めて来院する日本人でも安心だ。診察室ではイヌやネコの体の状況を飼い主から聞きながら、丁寧に診察してくれる。診察費は一般的な健康診断で250元から300元で、病気の内容によって費用は異なる。田中さんは「診察費は一般的に日本より高くなってしまいます。それは中国製の薬や診察機器が十分に信頼できる水準に達しておらず、外国から輸入したものを使わざるを得ないからです。特に中国人ペット愛好家からは『外国の薬を使ってくれ』という要望がよく出ます」と上海の動物病院の事情を話す。
 
日本とは違うことを忘れないで
 
 上海は中国有数の先進都市で、ペットを取り巻く環境も整っている。しかし、日本とは違うことを忘れてはいけないと田中さんは警告する。「犬ジステンパーウイルスやパルウイルスといったイヌ特有の病気は、日本に比べて発症率が格段に高くなっています。予防できるものは予防するという考えで、ワクチンの接種を受けたほうがいいと思います。皮膚病もイヌに発生の多い病気です。上海の街角ではリードを付けていないイヌをよく見かけます。野良犬でなくてもそうしたイヌには注意が必要です。自分のイヌもきちんとリードを付けて散歩させたほうがいいでしょう」。話をよく聞いてくれる親切な獣医さんという評判の田中さん。日本人のペット愛好家にとっては心強い存在だ。


イヌを診察する田中さん

 
院内にはさまざまな機器が並び、精密な検査ができる
 

受付や待合室は明るい雰囲気だ
 
正伊寵物有限公司
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