中国のプレゼント事情

中国においてプレゼントは、相手に対する尊敬と友好を表わす意思表示の1つだ。「礼は軽く、情義を重く」と古くからいうように、援助や施しのためではなく、プレゼントは気持ちを伝えるものという考えが強い。プレゼントを贈る側の気持ちを重視するという考え方は日本と似ている。しかし、プレゼントの習慣は日本と異なる面も多い。中国のプレゼントの習慣とは、どのようなものなのだろうか。

プレゼントする時期
 中国でプレゼントをする時期は主に中秋節と春節(旧正月)の2回だ。この時期は多くの人が実家に帰省し、親類や友人の家を訪ねる。そのときにプレゼントをするのが中国の習慣になっている。
 中秋節は主に家族と一緒に月餅を食べ、家族団らんを楽しむ祝日だ。最近では中秋節になる前に月餅を贈ることが多くなった。個人消費だけでなく、企業が得意先へのあいさつのために集団購入する時期でもある。
 春節は1年で最もにぎやかな時期だ。中国では家の扉に「福」の字を逆さまに飾り、爆竹を鳴らして新しい年を祝う。春節はにぎやかに過ごすという特徴があるため、親類への贈り物も豪華なものが好まれている。トロピカルフルーツや干しナマコなどの高級品が多い。子どもには日本と同じくお年玉を贈る習慣がある。
 
プレゼントに対する考え方
 中国人がプレゼントをする際は、相手との関係の濃密度が最大のポイントになる。特に相手との実利的な関係をはっきり意識した場合、プレゼントは通常のお土産の範ちゅうをはるかに超え、かなり高額なものになることが多い。中国では人間を評価するとき、「気前がいい」もしくは「ケチ」という言葉をよく耳にする。「気前がいい」は非常にランクの高い評価となり、「ケチ」はまるで最低同然の軽蔑ととらえられている。親戚や友人、同僚などの間でもし「ケチ」というレッテルを貼られ、悪い評判が定着すれば一巻の終わりといっても過言ではないほど頭が上がらないし、人間関係はぎくしゃくしてしまう。中国人に贈るプレゼントはこの点を考慮して選ぶ必要がある。
 またプレゼントをするときに添える一言も日本とは異なる。日本人はその人のためにわざわざ買いに行った場合でも、「ついでに買ってきました。つまらないものですが」と謙虚に言う。一方、中国人は自分が一番いいと思うものを贈るのが礼儀と考えているので、「これは私がわざわざあなたのために買ってきました。お店を何軒も回ってやっと見つけたんです」と大げさにアピールすることが多い。
 プレゼントの授受に関しての考え方も中国ならではの考え方がある。日本人はお土産をもらうと、すぐにお返しをするというのが基本的なマナーだ。日本人の中では受けた恩はすぐに返すという考えが当たり前となっている。一方、中国人はプレゼントをもらってすぐにお返しをすると、「物々交換」と同じだと感じてしまう。中国ではプレゼントはしっかり受け取るが、そのかわりにそのことをずっと忘れずに覚えておき、次のチャンスがあるときに必ずお返しをするという考えがある。食事の会計でも同じだ。誰かに食事をおごってもらった場合でも、別にすぐにお返しをすることはしない。またその人と食事をするときにお返しをすればいい、という暗黙の了解がある。

中国人が喜ぶ日本土産
日本へ旅行する中国人観光客が増え、日本で商品が飛ぶように売れている。その様子を表す「爆買い」という言葉まで生まれた。日本には中国にはない良質なものがあり、友だちや親戚にまで買っていく人がほとんどだ。では中国人はどのようなものをプレゼントすると喜んでくれるのか。人気の日本土産をいくつか紹介しよう。
 
チョコレートなどのお菓子
中国では日本食の人気が高まっているが、お菓子も例外ではない。和菓子だけでなく、チョコレート系も人気が高い。有名なものとしては「白い恋人」や「キットカット」などが挙げられる。


薬品
ちょっとした症状をすぐに治してくれる薬が中国では少ないのが理由。便秘薬、口内炎の薬、湿布薬などの12種類の薬品(中国では通称「十二神薬」と呼ばれている)が人気だ。


栄養補助食品
化粧品だけでなく、美容に有効な栄養補助食品も人気が高い。ビタミンなどの栄養素が配合され、しみ・そばかすなどを予防する効果のあるサプリメントが話題になっている。




電化製品
小さいものでも精巧にできていて、丈夫で長持ちするというのが主な理由だ。高額なものだと炊飯器やデジタルカメラ、安いものだとイヤホンや電気シェーバー、鼻毛カッターが人気だ。
 


衣料品
たとえ格安ブランドのものでも、日本の衣料品には良質で高級というイメージがある。ストッキングや5本指の靴下、中国では珍しいスマホ対応の手袋などが人気だ。