上海のインター校、現地校国際部とは

上海では大勢の日本人が暮らしている。日本人の子どものためには、世界でも有数の規模の日本人学校が整備され、日本とほとんど変わらない教育を受けることもできる。一方で、インターナショナルスクール(以下、インター校)や中国の現地校の国際部に通い国際的な教育を受けるという選択肢もある。上海のインター校や現地校国際部にはどんな特徴があるのか。上海で日本人への教育のアドバイスを続けているEDUIC教育情報センター(上海)の福井英樹代表に聞いた。


EDUIC
福井英樹代表

 
グローバルに学べる「インター校」
 
 世界有数の国際都市・上海には数多くのインター校があります。外国の資本で設立され、主にイギリスとアメリカのカリキュラムに基づいて英語で教育を行っています。インター校に入学するに当たって求められる能力は、当然ながら英語です。一部のインター校には英語を基礎から学べる授業があり、多くの日本人の子どもを迎えています。しかし、一般的には英語ができるという前提で授業が進められるので、中学、高校から入学するのは、相当な努力をする覚悟がない限り避けたほうがいいと思います。こうした学校の場合は、幼稚園や小学校の低学年のうちに入学するとなんとか順応できます。英語も授業の内容もまだそれほどレベルが高くないので、初歩から始めてもついていけます。
 インターで学ぶことの最大のメリットは、グローバルスタンダートとされる英語とアメリカ・イギリスのカリキュラムで、さまざまな国の子どもが共に学ぶことにあります。教育の仕方も日本とは大きく異なり、自ら考え、自ら発言し、多くの子どもと切磋琢磨しながら学ぶことになります。多くの場合、入学から半年ほどは非常につらい思いをしますが、1年もすると慣れてきて成長が実感できるはずです。
 
中国も理解できる「現地校国際部」
 
 上海の現地校の一部では、外国人を受け入れる「国際部」を設置しています。多くは名門とされる学校にあります。その中には英文部と中文部があります。英文部ではアメリカ・カナダのカリキュラムで教育が行われ、進学先も主に欧米の大学となります。中文部では中国のカリキュラムで中国語での授業が行われています。英語と中国語の両方で学ぶ国際部も一部にはあります。英文部は入学時に高い英語の能力が求められる上、中国人の希望者も多いため、現実的な選択肢とはいえません。中文部の中には基礎から中国語を指導するところもあるので、そこが日本人の子どもの入学に適しています。
現地校国際部のメリットは3カ国語が使えるトリリンガルになれる可能性が高いことです。英語教育にも日本の学校より力を入れているので、英語の能力も高まります。また、中華圏を中心とした国々のハイクラスな子どもが学んでいるので、日本人の子どもも刺激を受けて成長できます。中国の文化や習慣を学ぶこともできます。
 
国際的な学びは大きなチャンス
 
 インター校、現地校国際部を選択する場合は、保護者の意識も大切です。日本人の選択肢としては少数派ですから、きちんとしたビジョンに基づいて判断しなければなりません。言葉の学習というだけならおすすめはできません。日本人学校に通いながら外国語の塾で学ぶほうが賢明です。特にインター校では、子どもをグローバルに育てたいと考えないと壁を乗り越えられません。学費もインター校で年額20万元、現地校国際部では年額10万元がめどです。上海日本人学校(小学部・中学部)の数倍から10倍近い額となります。それだけに保護者も覚悟が必要です。
 私は上海のインター校や現地校国際部で学ぶことは大きなチャンスだと思っています。日本の大学受験では帰国子女枠が使えるので有利な面もあります。大学入学後も日本で育った学生が一般的にあまり勉強しないのに対し、自ら課題を見つけて学び、多くの留学生と交流する中で引き続き成長することができます。ただ、教育には多様性があり、子どもの適性によって進むべき道は変わってきます。具体的な学校の選択は、多くの情報に基づいて慎重に行うべきだと思います。

 
EDUIC教育情報センター(上海)
2010年設立。上海のグローバル教育事情を日本人家庭に発信する教育情報センター。専門サイト「EDUIC」をはじめ、便覧やフェアでそれぞれの学校情報を提供する一方で、具体的に国際学校に進学を検討する家庭に対して直接アドバイスする「学校選択サポート」を続けている。
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