学校始業への焦り、子どもにも親にも

 新学期がもうすぐやって来る。しかし、上海児童医学センターの専門家は、学習の問題や情緒の問題で診察を受ける子どもが多くなっていると指摘する。新学期が始まるに当たって、親が緊張感を持つ場合もあるという。
 
本当にある「登校拒否症」
 
 今年、小学校に進学する1人の男の子は、もともと性格が明るい子どもだった。家族はみんな、この子の進学の準備に忙しく、ブランド品の学習かばんや学習用品セットをそろえ、学習塾の事前予約までした。そうした状況で、この子は気持ちが落ち込み、食欲もなくなった。夜に寝言を何度も言うこともあった。体を検査をしたところ、特に病気は発見されなかった。心配した親はインターネットで検索し、自分の息子が学校始業恐怖症を患っているのではないかと疑った。
 この子を診察した上海児童医学センター発育行動小児科主任の章依文医師は、「登校拒否は一種の精神的な反応で、『登校拒否症』とも呼ばれる。これは子どもが学校の特定の環境に対し異常な焦りを感じるもので、このような患者は新学年、新学期が始まる前には少なからず存在する」と語った。
 また、章医師は「のんびりとした休みと何の心配もない日々を過ごしたあとで、一気に緊張の学校生活が始まる。このような大きな落差が、子どもの学校の始業に対する心理に暗い影を落とす。しばしば気持ちが落ち込んだり、いら立ったりして、日ごろ興味を持っていることにも興味を失い、食欲が低下し、学校に行きたくないといった焦りの気持が起きる」とも分析している。
 
発生しやすい2つの状況
 
 章医師の分析では、学校始業恐怖症になる子どもには一般に2つの状況が考えられる。1つはまもなく小学校に入学する子ども。子どもが幼稚園から小学校に上がるとき、以前の生活時間や周囲の仲間だけでなく、飲食の習慣にも変化が起きる。例えば、子どもの起床時間が早くなり、それまでの仲間と別れ、新しい同級生や新しい集団とのかかわりが始まる。学校生活のリズムは速く、守らなければならない規律は多い。もう1つは中学、高校の生徒で、特に卒業を控えたクラスの生徒だ。進学に重要な学期で、重い学習の任務と親の過大な期待が、子どもにとって大きなストレスとなる。
学習のストレスのほかにも、子どもに学校の始業を恐れさせる原因がある。個人、家庭、学校それぞれに原因がある。子ども自身の場合は、内向的、臆病、わがまま、人付き合いが悪い、人との交流が苦手、学習能力が低いといったことが原因となる。親の場合は、子どもに対する過保護、溺愛、あるいは過度な期待しているのもかかわらず感情的なサポートが欠けているといったことが考えられる。学校の場合は、教師が厳しく接する、同級生があざけるといったことが原因となる。
 
親が先に焦りを克服
 
 子どもの学校始業恐怖が影響して、親も強い焦りを感じることがある。これに対し、章医師は3つの点をアドバイスしている。
1.親は子どもに適正な期待をしなければならない。学習の成績が優秀であることばかりを求め、子どもに大きなストレスを与え、反発や恐怖の感情を起こさせてはならない。
2.親と子の意思疎通をはかり、互いのストレスを緩和する。例えば、小学生の子どもに対しては、学校生活の状況や学校で起きる可能性があることを話して聞かせる。進学を控えた子どもと親の場合は、リラックスした雰囲気で興味があることを話題にしておしゃべりをする。このようにして互いの心を解きほぐす。
3.問題が発生したときには、親が積極的に教師や医師に相談して指示を仰ぎ、子どもの学校生活が順調に進むよう手助けをし、現実からの逃避を防ぐ。
(8月31日 新民網)