香港の人口危機が北京・上海に警鐘を鳴らす

 中国の一人っ子政策が終結し、多くの人が中国内地の人口情勢を楽観し、出生率が上昇して若年人口減少の危機が解決すると考える人もいる。しかし、これまでに産児制限政策が実施されたことのない香港でも、いったん低下した出生率はなかなか回復しない。男女の比率の不均衡、若年人口の急激な減少、高齢化率の上昇、国際的大都市も人口の圧力に直面することは避けられない。
 このほど香港特別区教育局が人口に関するデータを発表した。それによると、今年小学校から中学校に上がる子どもの数が、これまでで最も少なくなっている。2006年から2015年までの9年間で、香港の中学1年生の数は三分の一以上減り、上海と同様の現象が起きている。過去10数年で香港は内地と同じように男女のバランスが失われた。ただ、内地と異なるのは、香港では女性が多く男性が少ないことで、女性は男性より57万人も多い。
 
香港の中学1年生は35パーセント減少
 香港では今年中学に入学する子どもの数が谷底の状況となり、わずか4万5500人となった。前年から1115人減少した。
 単一年度の減少数はそれほど多くないが、中学校への入学者数の変動を見ると驚く。2005年から2015年までの間に、香港の中学1年生の数は8万5700人から5万5000人にまで減少した。減少率は35パーセント近くに達している。
 この状況は上海で中学生が急激に減少しているのと似ている。上海の中学生の数は2004年から15年までで40万人近く減り、減少率は37パーセント近い。
 香港ではこれまでに産児制限政策が実施されたことがなく、長年にわたって外地からの移民の受け入れで若年人口の減少に歯止めをかけてきた。このことは産児制限が全面的に撤廃されたとしても、上海の若年人口の減少が止まらないということを意味しているのではないだろうか。
 
女性が男性より57万人多い
 内地と同様に香港も男女の比率の不均衡が問題になっている。「男性が多く女性が少ない」内地と異なるのは、香港が「女性が多く男性が少ない」ことだ。
 最近の公式な統計によると、香港の総人口は730万5700人、そのうち男性は336万7000人、女性は393万8700人で、女性が男性より57万1700人多くなっている。
 1991年末には男性は332万人、女性は321万5000人でバランスが取れていた。過去10年余りで男女の比率が大きく変化した。
 多くの専門家は、男女比の不均衡の大きな原因は出生率の継続的な低下にあると考えている。統計によると、香港の合計特殊出生率(1000人の女性が一生のうちで産む子どもの平均人数)は1994年の1335人から2014年の1234人にまで低下した。2015年には1195人にまで下降している。2013年に「双非孕婦(ともに香港人でないのに香港で子どもを産む夫婦)」の香港への入境を禁止し、その年は出生数が前年から一気に3万4500人も減った。
 香港の出生率は産児制限政策の影響を受けてはいないが、依然として低いままだ。昨年の高騰によって、北京、上海、深圳の家賃や生活費は香港とさほど変わらなくなっている。これは内地の一級都市も香港と同様に出生率の低下に直面することを示しているのではないだろうか。
 
香港の若年時人口は全体の10パーセント以下になる
 内地の一、二級都市と比べると、香港は人口の変動を長期的に予測している。2014年から2064年までの人口推計では、香港は明らかに高齢化の圧力にさらされることになる。65歳以上の高齢者の割合は2014年の15パーセントから2064年には36パーセントに上昇する。同時に15歳以下の人口の割合は2014年の12パーセントから2064には9パーセントに下降する。15歳から64歳までの人口が養わなくてはならない高齢者の数も過去10年増加を続け、2006年の168人から2015年には208人になった。
 内地の一級都市と同様に、香港は高齢化率の上昇を抑えるために外来人口の流入にますます頼るようになっている。2010年に香港の総人口は5万5700人増加したが、その中で外地から移住した人の割合は16.51パーセントにすぎなかった。しかし、2014年は4万4700人の増加のうち、外地から移住した人の割合が6割を超えた。
 香港は労働人口の減少の圧力にも直面している。香港の総労働人口の変動予測では2014年の360人から2018年に365万へ微増するが、その後減少に転じ2031年には343万になる。
 大部分の内地人は香港の人口の変動は自分とは縁遠い話だと思っていだろう。しかし、香港の長期的な人口予測は、内地の一、二都市に警鐘を鳴らしている。国際的な大都市で産児制限が実施されたことがなくても、高齢化の進展は避けて通れないのだから。
 内地の人口についての多くの研究が、人口の大幅な減少を予測している。どの研究を見ても減少数に多少の差があるだけだ、さらに深刻なのは、多くの内地の都市が公的な人口の長期的変動予測を発表していないことだ。
 人は遠くを見ず近くばかり見る。国と都市もそれと同じだ。
(7月8日 面包財経)