この人、この上海 王艶さん

人をすてきに、街をすてきにの思いを胸に
 
改革開放政策の進展で、中国は世界第2の経済大国となった。しかし、中国の経済発展の歴史は浅く、自分のイメージやビジネスでの立ち振る舞いに気を配る余裕のない人が多い。王艶さんはそんな中国の人をすてきにし、街をすてきにしようと、上海で活動を続けている。
 

王艶さん

ファッションの先進地・日本で学ぶ
 
 旧フランス租界の閑静な住宅街の一角に王艶さんのオフィスがある。王さんは人のイメージを向上させる「イメージコンサルタント」として上海で活躍している。江蘇省出身の王さんは、幼いころからファッショに興味を持ち、アジアのファッションの先進地である日本で学ぶことを夢見ていた。
 学校を卒業し上海で働いていた王さんが日本へ渡ったのは2002年のことだった。ファッションの基礎を学んだ後、大手スポーツメーカー・デサントに入社し、主に中国内地、台湾、香港向けの商品のデザインに携わった。そして、2008年に資生堂美容学校に入学した。王さんは当時を振り返り、「世界的に有名な化粧品会社である資生堂が運営する美容学校は、50年を超える歴史を持ち、しっかりとした技術を教えてくれました。特に中国に足りないサービスの精神をたたき込まれ、あいさつをはじとして、当たり前のことを自然にやることを学びました。将来のことを考え、美容関連の各種の免許も取得しました」と語る。
 
企業のスタッフに的確にアドバイス
 
 日本でファッションの技術と精神を学んだ王さんは、2010年に中国に帰国した。そして、企業の社員にビジネスマナーを教える講師として活動を始めた。マナー講座では、訪問先での座席位置から、あいさつ、名刺交換の仕方、目の配り方まで細かく指導する。対象も新入社員から幹部社員までと幅広い。最近は、幹部社員への会食時のマナー指導についての要望が多い。さらに王さんが最も得意とするファッションについてもアドバイスする。「日本の一般企業では、ほとんどの社員がビジネスのファションに気を配っています。その点で、中国はかなり自由です。しかし、ビジネスのファッションには一定の規律が必要です。その人の職種や職位に合ったファッションをアドバイスするようにしています」と中国と日本の違いを語る。講師を務める企業には百度やTCLといった中国の有名企業も含まれている。
 
個人のイメージを劇的に変える
 
 王さんが現在、力を入れているのは、個人を対象にしたイメージデザインだ。人は外見より中身が大切だといわれるが、外見がその人の第一印象を決めるのも事実だ。王さんは1人1人の要望に的確に応えている。「まず、お客さまがなりたいというイメージを細かく聞きます。本人の意向が最も大切です。キュートになりたいという人をゴージャスなイメージにしても意味がありません」と語る。基本コースとしてパーソナルカラー診断、心理分析および体系分析を行う。主観的な判断や印象を伝えるのではなく、色彩学や人間工学に基づいた客観的なデータを示すことで、理解しやすい分析となっている。さらにオプションで自宅のクローゼットの調査やショッピングのアドバイスも実施する。その人のそれまでの好みと望むイメージのギャップを把握し、ショップに一緒に行って、服や靴、バッグといったイメージを決定づけるファッションアイテムを選ぶサポートをする。メークやヘアースタイルなどもコーディネートしている。このサービスによってイメージを変えた人の写真を見ると、その変化に驚かされる。知り合いに会ったとき「どちらさまですか」と聞かれるのではないかと思うほどの違いがある。「人のイメージは大切です。お客さまから、イメージが変わって恋人ができた、社内の評価が上がったという声をいただくこともあります。そうした声が私の仕事の励みにもなります」と語る王さんからは、現在の仕事に対する自信と充実感がうかがえる。
 将来はイメージコンサルタント育成のための学校を開きたいという王さん。「人がすてきになって、すてきな上海、すてきな中国になるといいですね」と語る王さんの今後の活躍が期待される。
 
上海悠幸文化伝播有限公司
恒雅形象Studio Infinity
(住)徐汇区岳阳路200弄46号102室
(電)021-6054-5643/156-1885-9550
(E)wangyan@studio-infinity.cn
 

企業でメークのアドバイスをする王艶さん
 

イメージについてのアドバイス前(左)とアドバイス後(右)。大きな変化が実感できる